Liquid Collectiveは、Alluvial Financeらが開発・普及に取り組んでいるリキッドステーキングのプロトコル。通常は仮想通貨をステーキングするとロックされて利用することはできなくなるが、リキッドステーキングの導入によって代わりとなるトークンが発行され、そのトークンを運用することができるようになる。
リキッドステーキングの利用者は、ステーキングで金利を受け取りながら、さらにDeFi(分散型金融)などで運用して利益を得ることが可能。Liquid Collectiveは、機関投資家向けに設計されている。
Alluvial Financeは7日にLiquid Collectiveのローンチを発表。コインベースのほか、仮想通貨サービス企業Bitcoin SuisseもLiquid Collectiveを導入すると説明した。
Liquid Collectiveの特徴
Liquid Collectiveは機関投資家向けのプロトコルのため、セキュリティやコンプライアンスを重視。利用者は必ず本人確認やマネーロンダリング対策(AML)のチェックを行う必要がある。
また、LsETH保有者に、スラッシュ(ペナルティ)の補償を提供することも大きな特徴。この補償は、プロトコルのサービス手数料から提供される。
スラッシュとは
ノードを安定して運用しなかったり、悪意ある行動をしたりした場合に、ステーキングしてある資産の一部や全額を没収すること。
今回の発表でコインベースの幹部Aaron Schnarch氏は以下のコメントを寄せた。
Liquid Collectiveは、スラッシュの補償やコンプライアンス対策が組み込まれた貴重なプロダクトだ。
我々は多くのプロダクトを提供するという戦略のもと、この新しいステーキングをサポートしていく。
また、Alluvial Financeの共同創設者Matt Leisinger氏のコメントは以下の通り。
より多くの機関投資家がイーサリアムのステーキングに参加できるようにするためには、コンプライアンス対応を行いながら、ステーキングされたイーサリアムを他で利用できるようにする必要がある。
Liquid Collectiveは、ステーキングすることでイーサリアムネットワークのセキュリティに参加したい機関投資家の需要を満たしてくれるだろう。
コインベースは昨年5月、ステーキングソリューション企業Figmentと提携し、リキッドステーキングのプラットフォーム開発をサポートすることを発表。その時のサポート対象がAlluvial Financeだった。
今回の発表でコインベースは、今後は同様のアプローチで、イーサリアム以外の仮想通貨にも対応していくと説明。従来のステーキングサービスではポリゴン(MATIC)やソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)などの銘柄に対応している。